It's in me and It's in YOU.

アジャイル/スクラム/データ分析とシナリオライティングや映画・本・ドラマの感想。つまりは雑記。

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劇場版 MOZU

劇場版MOZU 通常版DVD

ドラマ版も原作もチェックしないまま映画を観ました。

が、ほぼほぼ問題なく楽しめました!(「?」みたいな箇所やキャラがでてきたら、これはドラマ観ればわかるんだろうなって感じには思っていましたが)

 

「脚本」的には冒頭数分で主人公が誰か、物語の柱(ダルマのこと)は何かを伝えるようにシーンが作られているのが単純にすごいなって感じました。

 

話し的には、ダルマの怖さ・強さが「エピソード」的にしか聞こえてこないため、いま、一つ、怖さが伝わってこなかった、そのため対立した際の緊張感も少なかったなって感じました。(時間的制約と残酷な面を映像にしずらいもあったかもしれません)

 

個人的には、主のストーリーよりもとにかく長谷川博己が演じる「東 和夫」がかっこよすぎて、いいキャラすぎて、こんなキャラクターを作れている時点で、もうこの脚本は最高かよって思いました。何でもこなして、クールで、でもクレイジーで、ほんとカッコよかった。僕的なMOZUの見所は完全にこの「東 和夫」でしたってお話し。

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そして、父になる

そして父になる


テーマは重めというか難しいものを扱っているけど、柱は福山演じる野々宮良多の心の変化のドラマ。

 

綺麗に、ゆっくりと、溜まっていったものが
最後に、あるきっかけでダムのように決壊する

その「変化」こそ、この映画のすごいところですね。

 

父になるという瞬間が多くの父親にあるはずで、その瞬間を描ききってるのが素直にすごいなって思いました。

 

テーマ的なところではなく、福山の心の変化に注目して観て欲しい作品。

MW - ムウ-

MW -ムウ-

『残酷』さについて考えさせられた。

玉木宏演じる「結城」は高い知能を持つ猟奇殺人犯。
家族の前で家族を殺したり、
助けようとする行動が、その相手を殺してしまう結果になるようにしたり。

『残酷』な殺しをしていく、かなり、あっさりと。

動機は過去の事件で、その過去の事件をめぐって物語は進行していく。

でも、最後、本当の黒幕を「結城」は殺さないままで終わる。
ただ、『いつでも殺せる』というメッセージを残して。

死の恐怖を永遠にもたなければいけない黒幕。
もしかしたら、一番残酷なことをさせれているのかもしれない。
永遠の死の恐怖。

※途中、映画っぽい派手なシーンもあるけど、派手さより「結城」の精神面とか残酷なところとかもっと描いて欲しかったなとも思いました。
※幼馴染の牧師っぽくない牧師も、追いかけ続ける刑事もキャラがそこまで強くなく「結城」の引き立て役としては弱かったかな。「結城」と対等に対立できる人がいると物語がくずれてしまう気がするのでしょうがないけど。

 

 

海街ダイアリー(2015/監督・脚本:是枝裕和)

 

海街diary

 

 

鎌倉に住みたくなりました。カレーを食べたくなりました、汗かきながら。

そうすれば、こんな姉妹達のような生活に少し近づけるかなって。

 

三姉妹のもとに、腹違いの妹が加わって、ゆるやかに生きていく物語。

 

何かドンデン返しがあるわけでも、大きな盛り上がりシーンがあるわけじゃないけど、心がすごく動かされる作品。

 

いちおう主人公は綾瀬はるか演じる幸っぽいけど冒頭シーンは長澤まさみ演じる住乃から始まる。このおかげで、一見すると嫌なやつに見える可能性がある住乃にもちゃんと感情移入しやすくなってる気がしました(観客は最初に観た人に心を重ねる傾向がある)

 

自分が一番好きなシーンは、夏帆演じる三女の千佳と広瀬すず演じる四女のすず が二人でカレーを食べて、祖母と父の話しをするところ。すずが自分にも役目があると気がついたような、気がする場面。

 

あー、そういう意味で、食事シーンがこの映画だと毎回大切に扱われてたなー

夏帆の食べるシーンがなんか好き。

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MURO式9.5「答え」感想(ネタバレあり)

ネタバレあり です。

 

 

 

 

 

観てきました。

『正直に申し上げて、観るべき』作品。

 

今回、まず変わってる点が舞台。なんと「能楽」の舞台。東京公演は「梅若能楽学院会館」で行われました。(全国公演も能楽の舞台が使われるとのこです)

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(こんな感じ)

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 (説明お写真を拝借)

能楽の舞台については詳しくは以下に説明あります。

http://www1.t-cn.gr.jp/noh.html

 

そして一人芝居。一人芝居を実は見たことなくてどんなシチュエーションなのかドキドキと楽しみにもしてました。

 

アナウンスが終わり舞台が始まります。

 

揚幕(たぶん、普段、能楽を見ない人にとってはこういうところも見どころ)が開き、橋掛かりをゆっくりとムロツヨシさん演じる米山盛男が歩く。歩と合わせて、ピアノの音が鳴り響く。薄暗くなりライトアップされた舞台と静かな動作とピアノの音、これがかなりのオシャレ感と不思議感、期待値が高まっていきます。

 

時間をかけ舞台中央に立つ米山、観客の緊張感もピークに。

 

そして、いきなり、スットンキョウな声で、そして滑舌悪く話し始める。

観客はその落差で大爆笑。言葉にすると安っぽいけど、このいきなりのカタルシスは演出、脚本、そして演技の力が 最高な具合でそろって、やっと出せるものだと感じました。シビれた。

 

米山は八王子市長選での演説をするという設定。(そうか!演説なら一人でも不自然じゃない!)

米山はとにかく どこか抜けてるけど、底ぬけに素直で『正直』な男。マニュフェストがまだないこもとか正直に言っちゃうし、どストライクな人じゃなければ不倫もしないと言っちゃう。(どストライクな人が現れたら不倫するのかよ)

そして、自身の少年院に捕まっていた過去も話す。(捕まった理由も実はめちゃくちゃ笑えるけど、ここでは書きませんmm ヒントは尾崎です笑)

演説は「聞かせてください、あなたの『答え』」で締めくくられ、舞台は暗転する。

 

暗転後、能楽堂をうまく使ったプロジェクションマッピングが始まる、これがめちゃくちゃクール。とにかく『映像もカッコいい』のがmuro式。

 

第二幕は一休さんムロツヨシさんが一休さんを演じて、トンチの答えを考えるくだり。

アニメを題材にしつつ、とにかくムロさん演じる一休のキャラがいい。ちょっと嫌なやつ感もあるけど、どこか憎めない、そんなキャラ。

一休さんはライトで舞台後ろの壁に映された『雑な』人型演じる新衛門さんやかよちゃんとの対話で進む。先ほど、すごいプロジェクションマッピング見せられたあとの雑につくる光の人形のギャップがじわじわくる。

 

ここで、トンチを思いつけない一休はかよちゃんのアイデアを盗んでしまう。

一休は言う、みんなには「あわてない、あわてない」と言いながら自分は常にトンチに答え続け「走り続けてきた」と。

 

暗転され、暗闇の中、てるてる坊主が舞台に置かれる。

てるてる坊主の中には人型の人形。

 

第三幕は、人形を牢屋の中の人にみたて、ムロツヨシさん演じる看守さんとの会話。

実はこの牢屋の中の人が第一幕の米山盛男の少年院時代(逮捕されたエピソードですぐにわかる笑)

正直な少年と看守の会話。看守は、一休の話しを出したり、八王子の市長になることを勧めたりする。

正直な少年を観て、正直とは何かという問いも考える。法律だけじゃ線が引けない『悪い』と『良い』の区別の話し。文字で書くと肩苦しいけどそれが爆笑のセリフと演技で観れるわけで、このへんからすでに多幸感すごかった笑

 

第四幕は、

正直者エピソードの真骨頂、湖に落とされ斧と金の斧をもって現れる神はムロツヨシさんが演じる。斧を落とした相手(もちろん舞台上にはいないので神の会話でわかる)は米山盛男。

米山は金の斧はいらないといい、金の斧を渡さないと上司に怒られるという神のやりとり。

おとぎ話しの矛盾を指摘しながら、どこか現実の会社員のような神の話しがとにかく面白い。「神なのに!」みたいなツッコミを観客は何回も心ですることになる。例えば、神なのに、仕事納めとか上司との飲み会の話しとかでる。たまらなく好き。

 

そして第五幕。

衣装もメイクも左半身と右半身で別々のムロツヨシさんが現れる。

半身は米山、もう半身は記者。

市長になれてしまった米山の政治資金の不正利用(米山はそんなつもりもなく、ここでの利用はほぼ前幕までの会話で伏線はられていたもの)を責めるという設定。

ムロさんは体の向きをころころと変えながら、話す。

これは普通のステージであれば観客はステージ前にだけいるので、体の向きを変えることによって米山と記者を交互に観客は観ることができる。

でも、ここは能楽の舞台。ステージの作りが違うのだ。

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前にも横にも斜めにも観客席がある。だから、体の向きを必死に変えるたびに、その必死さが笑いを誘う。この舞台だからこその笑いだなって感じで、ほんとにすごい演出だって思った。

 

そして『正直』に生きると怒られるという米山は市長を辞任して、てるてる坊主になると言って去っていく。

 

音と映像とパントマイムで最後が飾られて終わり、まさに能楽のような感じで。

 

 

もう一回観たい。きっともっと色んな仕込みあるだろうし、座る場所によっても景色がぜんぜん変わるはず。まさに答えがない舞台。

正直にもう一度観たいと思った舞台でした

 

(そして恒例らしいカーテンコール。ここで過去の一人芝居の失敗の話しをまじえて、熱く、でも爆笑をもっていく、最後、会場は拍手で埋め尽くされていました)

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オズの魔法使い(1939/監督:ヴィクター・フレミング)

オズの魔法使 特別版 [DVD]

観ました。

【感想】
安心して観れる物語。
啓蒙的な感じも受けました、個人的に。

【演出】
・現実(白黒)と魔法の国(カラー)にすることによる対比になっていてわかりやすい
(当時はカラーがまだ珍しかったのもあるかもしれない。でもカラーが当たり前になった今でも逆に際立つ)

【脚本/ドラマ】
・カカシ、ブリキ人形、ライオンのコンプレックスからの成長が描かれている
→行動として変化が表れている。本人達が気がつくのはオズに言われて、はじめて気がつく。
・ドロシー自身の成長とカンザス(現実)で生きていく強さを身につける(もしくは気がつく?)

The Retrospective Prime Directive / 振返りのお約束

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レトロスペクティブミーティングの話しをしているときに、知り合いのスクラムマスターに英語記事を紹介してもらったので、読むついでに意訳をまとめておくことにします。

Retrospective Prime Directive

「Prime Directive」をなんて訳せばわからなかったのですが、Prime(主要な),Directive(方向性)みたいな意味から、ここでは「お約束」と訳することにしました。

 

ではでは、以下が意訳です。大事なのは信じることってことですね。

振返りにおける「お約束」。

初めて振返りをする人たちは恐れています。
その振返りミーティングが互いの粗探しのようなネガティブな愚痴を言い合うミーティングになってしまうのではないか、と。
そんな愚痴が溢れた振返りがチームの役に立つはずはありません。

 

振返りミーティングを成功させるカギは「お約束」を共有し、それを守ることです。

そのお約束とは、
「メンバーはその時点の知識・スキル・リソースの中で最大限にベストを尽くしたと信じること。」
です。

たとえ、どんな改善点を気がついたとしても、です。メンバーを信じること。

 

そうすれば、プロジェクトの終わりには、メンバーはたくさんのことを学んでいるでしょう。そして、自然と自分達がどうすればより良いチームになるか振返りを通してわかっていくでしょう。

振返りはチームを困らせるものではなく、チームを成功に導くための大切な「きっかけ」なのです。

 

 この「お約束」を守ると振返りの結果として「もっと頑張る」とか「次は注意する」っていうちょっと具体性に欠けた改善案はでてことないってことです。だって「最大限にベストを尽くしている」から。

なので、方法や手段に、もっと大きな視点で、改善の話しができるようになることがとても大事なんだと思います。

了。