『非衛伝』を読んで感じたつれづれ
「映像化が不可能な作品」って言われる作品がたまにあって。
例えば、SFの話しで、宇宙船バーンみたいなCGでやるにしても大変みたいな作品だったり。
例えば、推理諸説でよくある叙述トリックのようにそもそも映像化したら一瞬でばれてしまうもの。それでも、監督やプロデューサーが知恵を絞ったり、多額のお金を使ったりでなんとか映像化してるものもある。
叙述トリック(こう書いてしまうとネタバレなんだけど……)のイニシエーションラブはけっこう上手に映画化してたと思う。
そして、この『非衛伝』も映像化が難しい作品だなって思った。理由はシーンがほとんど、主人公であり英雄であり魔人である空々空の部屋での会話のみだからである。
本作で扱っている題材には宇宙、木星、太陽などもでてくる話しなのに、シーンとしては、映像としてはとても地味なものだ。そういう意味でも「映像化不可能な作品」だ。(一部、逆にダイナミックすぎて映像化困難なシーンもでてくるけど)。
それでも、ほとんど会話、空々空の交渉が続く物語なのに、Kindleで6000ページあっても一気に読みきりたくなるのがこの作品のすごいところかもしれない。
交渉をし続ける主人公だけど、人間の人生だって、似たようなもんだなって思いながら読んでました、とさ。